IPv6とは?初心者向けにわかりやすく解説

2022年07月26日 更新日:2024年02月27日

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IPv6とは、従来のIPv4に代わる新しいインターネット通信規格です。通信の安全性が向上し、高速通信が可能になるなどのメリットがあります。スムーズなIPv6への移行には「IPv4 over IPv6」の利用がおすすめです。

IPv6が開発された背景には、IPv4が時代に合わなくなってきたことがあげられますが、インターネットでサービスを提供する側がIPv6への移行を進めるだけでは不十分です。インターネットを利用するユーザー側も、IPv6に対応しなければなりません。

IPv6とは?

IPv6はインターネットの最新の通信規格です。時代に合わなくなってきたIPv4に代わって、データをやり取りするための新しいルールとして普及が急がれています。まずは、IPv6の特徴やIPv4との違いをみていきましょう。

IPv6の意味や特徴

「IPv6」とは「Internet Protocol Version 6」の略称です。

「IP」とはインターネットの通信規格のことで、「v6」は最新の「Version 6」第6版であることを表しています。

IPv6のメリット

IPv6には次のようなメリットがあります。

「IP」とはインターネットの通信規格のことで、「v6」は最新の「Version 6」第6版であることを表しています。

より高速なインターネット通信が可能になる

IPv6は従来のIPv4と通信の方法が異なり、ユーザーが多くなっても回線の混雑を避けられるという特徴があります。それにより、これまで以上の高速通信が可能になります。

通信の安全性が向上する

IPv6には、データを暗号化する仕組み「IPsec」が標準で搭載されています。IPsec自体はIPv6以前から存在していましたが、オプション扱いだったことから、セキュリティ面に不安がありました。IPv6はIPsecが標準搭載されているため、通信の安全性が向上しています。

IPアドレスの個数が増える

IPアドレスとは、インターネット上の住所のようなもので、データの送受信に欠かせません。スマホなどの普及でインターネットユーザーが増え、IPアドレスが不足する懸念がありました。IPv6を使用することで、IPv4とはケタ違いの数のIPアドレスを割り振ることができます。

IPv4とIPv6の違い

IPv4とIPv6には、次のような違いがあります。

1. IPアドレスの数2. 表記方法の違い3. 接続方式の違い4. 回線速度の違い5. パケット転送時の違い6. セキュリティの強度の違い

IPv6は従来型のIPv4よりも使用できるIPアドレスの数が多く、通信速度やセキュリティ面の技術が向上しています。くわしくはこちらの記事をご覧ください。

もう悩まない!IPv4とIPv6の違いをわかりやすく解説!

IPv6の接続方式

IPv6の利用は光回線であることが前提になります。また、接続方式もIPv6に対応した「IPoE」にする必要があります。

少し専門的な内容ですが、IPv6を理解するためには、IPoEについても知っておく必要があります。ここでは、IPv4以前から使われている「PPPoE」と、IPv6に対応した「IPoE」の違いをわかりやすく説明します。

1.PPPoE

PPPoE(ピーピーピーオーイー)とは、IPv4より前のインターネット黎明期から使われている接続方式です。

PPPoEでは、ユーザーがインターネット回線に接続するための「モデム」が必要になり、接続のたびにIDとパスワードを入力しなければなりません。IDとパスワードは自動入力されるため、意識することはあまりないかもしれませんが、実際には入力の手間がかかっており、通信が遅くなる原因のひとつになっています。

また、プロバイダ側は「ネットワーク終端装置」と呼ばれる機器を用意する必要があります。

ネットワーク終端装置の処理能力には限界があり、回線が持っているポテンシャルを十分に使えているとはいえません。装置の利用者が増える時間帯には回線が混雑し、それによって通信が遅くなることもあります。

このように、IPv4・PPPoEでは、複雑で手間がかかる接続方法を取っているのです。

PPPoEとは?特徴や接続についてわかりやすく紹介!

2.IPoE

IPoE(アイピーオーイー)とは、IPv6になって使われるようになった新しい接続方式です。PPPoEで使用していたネットワーク終端装置を使うことなく、インターネットに直接つながるようになったため、通信速度が向上しています。

また、接続のたびに必要だったIDやパスワードの入力も不要です。シンプルな接続方式で、インターネットを、より快適に利用できるようになっています。

IPv6・IPoEに対応しているWebサイトは「YouTube」や「Netfilix」など、まだ限られていますが、普及は着実に進んでいます。

IPoEとは?PPPoEとの違いや特徴・メリットをわかりやすく解説!

IPv6で接続されているか確認する方法

利用中のインターネットが、IPv4とIPv6のどちらで接続されているかを確認してみましょう。Windowsなら「Windowsマーク」からクリックしていくことで表示される「ハードウェアと接続のプロパティを表示する」で確認できます。

Macなら「アップルメニュー」をクリックし「有効になっている接続」で、IPアドレスを表示させましょう。文字列にアルファベットが含まれていたら、IPv6で接続されています。

IPv6での接続の確認は「IPv6接続テスト」や「確認くん Pro」といったWebサイトへのアクセスでも可能です。くわしくは以下のリンクを参照してください。

IPv6の接続状況はどうやって確認する?便利なサイトから原因・対処法まで!

IPv6を利用するときの注意点

IPv6の利用には、光回線とIPv6に接続可能な環境が必要です。「環境」とは、IPv6対応のプロバイダやルーターなどのことです。まずは、契約しているプロバイダがIPv6に対応しているかどうかを確かめましょう。未対応の場合は、別途契約や設定が必要になることもあります。

IPv6に対応しているルーターなどの接続機器も用意しましょう。プロバイダの中にはレンタルしてくれるところもありますが、多くの場合、新しく購入する必要があるでしょう。

その際にチェックしたいのは、IPv6ではなく「IPv4 over IPv6」に対応しているかどうかです。IPv4 over IPv6とは、IPv6と同じ「IPoE」でIPv4アドレスへの接続を可能にした技術です。

IPv6とIPv4には互換性がないため、IPv4のWebサイトはIPv6では閲覧できません。先ほど説明した通り、多くのWebサイトでは従来型のIPv4・PPPoE方式が使われています。IPv6に切り替えると、現状使用している多くのサービスが使用できなくなってしまいます。

IPv4 over IPv6を活用すれば、IPv4・PPPoEのWebサイトをIPv6で閲覧できるようになります。

IPv6で快適なインターネット通信をしよう

IPv6・IPoEでの接続は、ネットワーク終端装置の経由やID・パスワード入力の必要もなく、光回線の実力を発揮させるシンプルな接続方式です。また、強力なセキュリティも標準で搭載されているため、ユーザーに多くのメリットがあります。

現在のインターネットの主流はIPv4・PPPoEですが、IPv6・IPoEも普及が進んでいます。どちらも対応できる「IPv4 over IPv6」への移行をおすすめします。

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