PPPoEとは?特徴や接続についてわかりやすく紹介!

2022年07月26日 更新日:2024年02月27日

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目次

PPPoEとは、従来型のインターネットの接続方式で、現在もPPPoEが接続方式の主流です。新しい接続方式であるIPoE接続への切り替えが進みつつありますが、PPPoEとIPoEにはどのような違いがあるのでしょうか。従来型のPPPoEの特徴や接続方法、IPoEとの違いを初心者の方にもわかりやすく説明します。

PPPoEとは、従来型のインターネットの接続方式です。現在でも広く使われている接続方式ですが、どのような特徴があるのでしょうか。また、次世代型の接続方式であるIPoEと比較することで、PPPoEのメリットやデメリットも知ることができるでしょう。

現在、PPPoEからIPoEへの切り替えが進められていますが、快適なインターネットの利用には、目的に合った回線選びが必要です。PPPoEとIPoEの違いを理解し、インターネット環境の構築にお役立てください。

PPPoEとは?わかりやすく解説!

PPPoE(ピーピーピーオーイー)とは、古くからあるインターネットの接続方式です。 「PPP over Ethernet」を略したもので「PPPを用いてイーサネットに接続する」という意味になります。

「PPP」とは「Point-to-Point Protocol(ポイントトゥポイント・プロトコル)」を略したもので、電話回線を使用した1対1の通信で利用されていた規格です。「イーサネット」は、会社などにある、LANケーブルでのネットワークで利用されている通信規格のことです。

大昔からあるパソコン通信のころの技術をもとに、いまだにインターネットにつないでいるイメージとなります。

インターネットの利用者側で必要になるのは、インターネット回線に接続するための「モデム」で、接続のたびにIDとパスワードを入力しなければなりません。また、プロバイダは「ネットワーク終端装置」と呼ばれる機器の用意が必要です。

PPPoEの次世代型として新しく開発された接続方式が「IPoE」で、頭に付いている「IP」は「インターネットプロトコル」を意味します。

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PPPoEの特徴

ここからは、PPPoEの特徴を、セキュリティと通信速度の面から詳しくみていきます。新しい接続方式であるIPoEに比べてPPPoEは「遅い」といわれることがあります。その理由もあわせて解説します。

セキュリティ面

PPPoEでは、インターネットに接続するたびに、IDとパスワードの入力が必要になります。実際には契約しているインターネット回線にいつもの端末でつなぐ場合、IDやパスワードは自動で入力されるため、あまり意識することはないかもしれません。

パスワードを入力しないと接続できないため、セキュリティ面で優れているように思えますが、IDとパスワードが第三者に知られる危険性もあります。

その点、次世代型のIPoEは、アクセスしてきた回線でユーザー認証を行うため、IDやパスワードが不要です。さらに、IPoEにはデータを暗号化する仕組み「IPsec」が標準で搭載されており、セキュリティ対策が強化されています。セキュリティが向上し、接続方式がよりシンプルになったのがIPoEといえます。

通信速度

PPPoE方式による接続の最大通信速度は1Gbpsとされています。IPoEは10Gbpsで、PPPoEの10倍の速度になっています。

PPPoE方式はIPoEの10分の1の速度しか出せない設計になっていることから、PPPoEがいかに遅いかがわかるでしょう。ただし、最大通信速度は理論値のため、常にその速度が出るわけではありません。

PPPoEの通信速度が遅い原因のひとつに、PPPoE方式で使われる「ネットワーク終端装置」があります。ネットワーク終端装置とは、電話線などの回線とプロバイダの回線を接続するためのもので、処理能力があまり高くありません。

回線が混雑するとネットワーク終端装置が処理しきれなくなり、PPPoE方式でのインターネット回線の速度を遅く感じてしまう大きな理由となっています。

週末の夜間など利用者が増加する時間帯に回線が重くなるのは、この装置の処理能力の低さが原因のひとつです。近年ではインターネットの利用者が増加しており、ネットワーク終端装置に頼る接続方式は限界に近いといえます。

また、先ほど説明した通り、PPPoE方式では接続のたびにIDとパスワードの入力が求められます。自動とはいえ、実際にはパスワードを入力する手間がかかっており、PPPoE方式の通信速度が遅いとされている原因になっています。

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接続方法

PPPoE方式でのインターネット接続は、どのような手順で行われるのでしょうか。PCとルーターの接続手順を、それぞれみていきましょう。

PPPoE方式での接続でPCとルーターに共通するのは、IDとパスワードを入力しなければならないことです。あらかじめプロバイダからもらったIDとパスワードがわかるようにしておきましょう。

次世代型の接続方式「IPoE」については、以下のリンクにくわしく記載されています。どちらの接続方式にしようか迷っているなら、一読をおすすめします。

IPoEとは?PPPoEとの違いや特徴・メリットをわかりやすく解説!

■A.パソコン以下はWindows10でのPPPoE接続の方法です。

1.「スタートボタン」から「Windowsシステムツール」「コントロールパネル」を選択してください。

2.「コントロールパネル」にある「ネットワークとインターネット」から「ネットワークと共有センター」を選択します。

3.「新しい接続またはネットワークのセットアップ」から「インターネットに接続します」を選択し「次へ」をクリックします。

4.「どのような方法で接続しますか?」とたずねられたら「ブロードバンド(PPPoE)」を選択しましょう。

5.「既にインターネットに接続しています」と表示されたら「新しい接続をセットアップします」を選択し「次へ」をクリックします。

6.「ユーザー名」「パスワード」などを入力する画面が開いたら、プロバイダからもらった情報を入力し「接続」をクリックすれば完了です。

Mac OS 10.6でのPPPoE接続の方法は以下の通りです。

1.「アップルメニュー」から「システム環境設定」を選択し「ネットワーク」をクリックします。

2.左下にある「+」ボタンをクリックし「インターフェイス」のプルダウンメニューから「PPPoE」「Ethernet」を選択します。

3.「サービス名」に契約しているプロバイダの名前などを入力すると「アカウント名」「パスワード」を入力できるようになります。プロバイダからもらった情報を入力し「接続」をクリックすれば完了です。

■B.ルーター

ルーターでのPPPoE接続の方法は製品ごとに異なりますが、PCなどのブラウザに指定されているURLを入力する方法があげられます。ほかにもCD-ROMを読み込んだりすることで設定画面にアクセスし、IDやパスワードを入力することで行う方法も一般的です。

IDやパスワードの入力ミスがないにもかかわらずPPPoE接続が行えない場合は、ルーターなど通信機器の電源をいったん切り、再起動してみてください。それでも難しい場合はプロバイダ側のトラブルが考えられますので、問い合わせてみましょう。

接続可能なWebページ

PPPoE接続で利用できるのは、現在主流の通信規格「IPv4」が使われているWebページです。新しいIPoE接続で利用できるのは、次世代型の通信規格「IPv6」が使われているWebページが基本です。

PPPoE接続でIPv6が使われているWebページを利用するには「IPv6トンネル対応アダプタ」などの市販機器を用いるほか、接続方法をPPPoEからIPoEに変更することで、IPv4とIPv6、両方のWebページを閲覧できるようにする方法もあります。これを「IPv4 over IPv6」と呼びます。

契約内容によってはプロバイダと回線契約を結び直し、接続機器を新しくする必要がありますが、IPoE・IPv4 over IPv6への変更で、混雑時に回線速度が低下するなどPPPoEが抱えている問題も解決するでしょう。

(まとめ)PPPoEについて正しい知識をつけよう

PPPoEは現在も広く使われているインターネットへの接続方法ですが、古くから使われているものだけに、次第に時代に合わなくなってきました。

PPPoEには、回線の混雑時にインターネット速度が低下し、新しい通信規格であるIPv6に対応できないなどの問題があり、次世代型の接続方法であるIPoEに切り替えることで大きなメリットがあります。

IPv4 over IPv6を活用すれば、通信速度が早いIPoEの特徴を活かしつつ、従来型のIPv4が使われているWebページにもアクセスが可能です。IPv4 over IPv6は、PPPoEからIPoEへ切り替えが進んでいる現在、ベストな接続方法といえるでしょう。

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