ネット速度に関する基礎知識 2022/7

PPPoEとは?特徴や接続についてわかりやすく紹介!

投稿日時:2022/07/26(火) 16:39

PPPoEとは、従来型のインターネットの接続方式で、現在もPPPoEが接続方式の主流です。新しい接続方式であるIPoE接続への切り替えが進みつつありますが、PPPoEとIPoEにはどのような違いがあるのでしょうか。従来型のPPPoEの特徴や接続方法、IPoEとの違いを初心者の方にもわかりやすく説明します。

PPPoEとは、従来型のインターネットの接続方式です。現在でも広く使われている接続方式ですが、どのような特徴があるのでしょうか。また、次世代型の接続方式であるIPoEと比較することで、PPPoEのメリットやデメリットも知ることができるでしょう。

現在、PPPoEからIPoEへの切り替えが進められていますが、快適なインターネットの利用には、目的に合った回線選びが必要です。PPPoEとIPoEの違いを理解し、インターネット環境の構築にお役立てください。

PPPoEとは?わかりやすく解説!

PPPoE(ピーピーピーオーイー)とは、古くからあるインターネットの接続方式です。 「PPP over Ethernet」を略したもので「PPPを用いてイーサネットに接続する」という意味になります。

「PPP」とは「Point-to-Point Protocol(ポイントトゥポイント・プロトコル)」を略したもので、電話回線を使用した1対1の通信で利用されていた規格です。「イーサネット」は、会社などにある、LANケーブルでのネットワークで利用されている通信規格のことです。

大昔からあるパソコン通信のころの技術をもとに、いまだにインターネットにつないでいるイメージとなります。

インターネットの利用者側で必要になるのは、インターネット回線に接続するための「モデム」で、接続のたびにIDとパスワードを入力しなければなりません。また、プロバイダは「ネットワーク終端装置」と呼ばれる機器の用意が必要です。

PPPoEの次世代型として新しく開発された接続方式が「IPoE」で、頭に付いている「IP」は「インターネットプロトコル」を意味します。

IPoEとは?PPPoEとの違いや特徴・メリットをわかりやすく解説!

PPPoEの特徴

ここからは、PPPoEの特徴を、セキュリティと通信速度の面から詳しくみていきます。新しい接続方式であるIPoEに比べてPPPoEは「遅い」といわれることがあります。その理由もあわせて解説します。

セキュリティ面

PPPoEでは、インターネットに接続するたびに、IDとパスワードの入力が必要になります。実際には契約しているインターネット回線にいつもの端末でつなぐ場合、IDやパスワードは自動で入力されるため、あまり意識することはないかもしれません。

パスワードを入力しないと接続できないため、セキュリティ面で優れているように思えますが、IDとパスワードが第三者に知られる危険性もあります。

その点、次世代型のIPoEは、アクセスしてきた回線でユーザー認証を行うため、IDやパスワードが不要です。さらに、IPoEにはデータを暗号化する仕組み「IPsec」が標準で搭載されており、セキュリティ対策が強化されています。セキュリティが向上し、接続方式がよりシンプルになったのがIPoEといえます。

通信速度

PPPoE方式による接続の最大通信速度は1Gbpsとされています。IPoEは10Gbpsで、PPPoEの10倍の速度になっています。

PPPoE方式はIPoEの10分の1の速度しか出せない設計になっていることから、PPPoEがいかに遅いかがわかるでしょう。ただし、最大通信速度は理論値のため、常にその速度が出るわけではありません。

PPPoEの通信速度が遅い原因のひとつに、PPPoE方式で使われる「ネットワーク終端装置」があります。ネットワーク終端装置とは、電話線などの回線とプロバイダの回線を接続するためのもので、処理能力があまり高くありません。

回線が混雑するとネットワーク終端装置が処理しきれなくなり、PPPoE方式でのインターネット回線の速度を遅く感じてしまう大きな理由となっています。

週末の夜間など利用者が増加する時間帯に回線が重くなるのは、この装置の処理能力の低さが原因のひとつです。近年ではインターネットの利用者が増加しており、ネットワーク終端装置に頼る接続方式は限界に近いといえます。

また、先ほど説明した通り、PPPoE方式では接続のたびにIDとパスワードの入力が求められます。自動とはいえ、実際にはパスワードを入力する手間がかかっており、PPPoE方式の通信速度が遅いとされている原因になっています。

インターネット速度が遅くなる時間帯はいつ?原因と対策方法を解説!

接続方法

PPPoE方式でのインターネット接続は、どのような手順で行われるのでしょうか。PCとルーターの接続手順を、それぞれみていきましょう。

PPPoE方式での接続でPCとルーターに共通するのは、IDとパスワードを入力しなければならないことです。あらかじめプロバイダからもらったIDとパスワードがわかるようにしておきましょう。

次世代型の接続方式「IPoE」については、以下のリンクにくわしく記載されています。どちらの接続方式にしようか迷っているなら、一読をおすすめします。

IPoEとは?PPPoEとの違いや特徴・メリットをわかりやすく解説!

■A.パソコン以下はWindows10でのPPPoE接続の方法です。

1.「スタートボタン」から「Windowsシステムツール」「コントロールパネル」を選択してください。

2.「コントロールパネル」にある「ネットワークとインターネット」から「ネットワークと共有センター」を選択します。

3.「新しい接続またはネットワークのセットアップ」から「インターネットに接続します」を選択し「次へ」をクリックします。

4.「どのような方法で接続しますか?」とたずねられたら「ブロードバンド(PPPoE)」を選択しましょう。

5.「既にインターネットに接続しています」と表示されたら「新しい接続をセットアップします」を選択し「次へ」をクリックします。

6.「ユーザー名」「パスワード」などを入力する画面が開いたら、プロバイダからもらった情報を入力し「接続」をクリックすれば完了です。

Mac OS 10.6でのPPPoE接続の方法は以下の通りです。

1.「アップルメニュー」から「システム環境設定」を選択し「ネットワーク」をクリックします。

2.左下にある「+」ボタンをクリックし「インターフェイス」のプルダウンメニューから「PPPoE」「Ethernet」を選択します。

3.「サービス名」に契約しているプロバイダの名前などを入力すると「アカウント名」「パスワード」を入力できるようになります。プロバイダからもらった情報を入力し「接続」をクリックすれば完了です。

■B.ルーター

ルーターでのPPPoE接続の方法は製品ごとに異なりますが、PCなどのブラウザに指定されているURLを入力する方法があげられます。ほかにもCD-ROMを読み込んだりすることで設定画面にアクセスし、IDやパスワードを入力することで行う方法も一般的です。

IDやパスワードの入力ミスがないにもかかわらずPPPoE接続が行えない場合は、ルーターなど通信機器の電源をいったん切り、再起動してみてください。それでも難しい場合はプロバイダ側のトラブルが考えられますので、問い合わせてみましょう。

接続可能なWebページ

PPPoE接続で利用できるのは、現在主流の通信規格「IPv4」が使われているWebページです。新しいIPoE接続で利用できるのは、次世代型の通信規格「IPv6」が使われているWebページが基本です。

PPPoE接続でIPv6が使われているWebページを利用するには「IPv6トンネル対応アダプタ」などの市販機器を用いるほか、接続方法をPPPoEからIPoEに変更することで、IPv4とIPv6、両方のWebページを閲覧できるようにする方法もあります。これを「IPv4 over IPv6」と呼びます。

契約内容によってはプロバイダと回線契約を結び直し、接続機器を新しくする必要がありますが、IPoE・IPv4 over IPv6への変更で、混雑時に回線速度が低下するなどPPPoEが抱えている問題も解決するでしょう。

(まとめ)PPPoEについて正しい知識をつけよう

PPPoEは現在も広く使われているインターネットへの接続方法ですが、古くから使われているものだけに、次第に時代に合わなくなってきました。

PPPoEには、回線の混雑時にインターネット速度が低下し、新しい通信規格であるIPv6に対応できないなどの問題があり、次世代型の接続方法であるIPoEに切り替えることで大きなメリットがあります。

IPv4 over IPv6を活用すれば、通信速度が早いIPoEの特徴を活かしつつ、従来型のIPv4が使われているWebページにもアクセスが可能です。IPv4 over IPv6は、PPPoEからIPoEへ切り替えが進んでいる現在、ベストな接続方法といえるでしょう。

IPv6とは?初心者向けにわかりやすく解説

投稿日時:2022/07/26(火) 16:26

IPv6とは、従来のIPv4に代わる新しいインターネット通信規格です。通信の安全性が向上し、高速通信が可能になるなどのメリットがあります。スムーズなIPv6への移行には「IPv4 over IPv6」の利用がおすすめです。

IPv6が開発された背景には、IPv4が時代に合わなくなってきたことがあげられますが、インターネットでサービスを提供する側がIPv6への移行を進めるだけでは不十分です。インターネットを利用するユーザー側も、IPv6に対応しなければなりません。

IPv6とは?

IPv6はインターネットの最新の通信規格です。時代に合わなくなってきたIPv4に代わって、データをやり取りするための新しいルールとして普及が急がれています。まずは、IPv6の特徴やIPv4との違いをみていきましょう。

IPv6の意味や特徴

「IPv6」とは「Internet Protocol Version 6」の略称です。

「IP」とはインターネットの通信規格のことで、「v6」は最新の「Version 6」第6版であることを表しています。

IPv6のメリット

IPv6には次のようなメリットがあります。

「IP」とはインターネットの通信規格のことで、「v6」は最新の「Version 6」第6版であることを表しています。

より高速なインターネット通信が可能になる

IPv6は従来のIPv4と通信の方法が異なり、ユーザーが多くなっても回線の混雑を避けられるという特徴があります。それにより、これまで以上の高速通信が可能になります。

通信の安全性が向上する

IPv6には、データを暗号化する仕組み「IPsec」が標準で搭載されています。IPsec自体はIPv6以前から存在していましたが、オプション扱いだったことから、セキュリティ面に不安がありました。IPv6はIPsecが標準搭載されているため、通信の安全性が向上しています。

IPアドレスの個数が増える

IPアドレスとは、インターネット上の住所のようなもので、データの送受信に欠かせません。スマホなどの普及でインターネットユーザーが増え、IPアドレスが不足する懸念がありました。IPv6を使用することで、IPv4とはケタ違いの数のIPアドレスを割り振ることができます。

IPv4とIPv6の違い

IPv4とIPv6には、次のような違いがあります。

1. IPアドレスの数 2. 表記方法の違い 3. 接続方式の違い 4. 回線速度の違い 5. パケット転送時の違い 6. セキュリティの強度の違い

IPv6は従来型のIPv4よりも使用できるIPアドレスの数が多く、通信速度やセキュリティ面の技術が向上しています。くわしくはこちらの記事をご覧ください。

もう悩まない!IPv4とIPv6の違いをわかりやすく解説!

IPv6の接続方式

IPv6の利用は光回線であることが前提になります。また、接続方式もIPv6に対応した「IPoE」にする必要があります。

少し専門的な内容ですが、IPv6を理解するためには、IPoEについても知っておく必要があります。ここでは、IPv4以前から使われている「PPPoE」と、IPv6に対応した「IPoE」の違いをわかりやすく説明します。

1.PPPoE

PPPoE(ピーピーピーオーイー)とは、IPv4より前のインターネット黎明期から使われている接続方式です。

PPPoEでは、ユーザーがインターネット回線に接続するための「モデム」が必要になり、接続のたびにIDとパスワードを入力しなければなりません。IDとパスワードは自動入力されるため、意識することはあまりないかもしれませんが、実際には入力の手間がかかっており、通信が遅くなる原因のひとつになっています。

また、プロバイダ側は「ネットワーク終端装置」と呼ばれる機器を用意する必要があります。

ネットワーク終端装置の処理能力には限界があり、回線が持っているポテンシャルを十分に使えているとはいえません。装置の利用者が増える時間帯には回線が混雑し、それによって通信が遅くなることもあります。

このように、IPv4・PPPoEでは、複雑で手間がかかる接続方法を取っているのです。

PPPoEとは?特徴や接続についてわかりやすく紹介!

2.IPoE

IPoE(アイピーオーイー)とは、IPv6になって使われるようになった新しい接続方式です。PPPoEで使用していたネットワーク終端装置を使うことなく、インターネットに直接つながるようになったため、通信速度が向上しています。

また、接続のたびに必要だったIDやパスワードの入力も不要です。シンプルな接続方式で、インターネットを、より快適に利用できるようになっています。

IPv6・IPoEに対応しているWebサイトは「YouTube」や「Netfilix」など、まだ限られていますが、普及は着実に進んでいます。

IPoEとは?PPPoEとの違いや特徴・メリットをわかりやすく解説!

IPv6で接続されているか確認する方法

利用中のインターネットが、IPv4とIPv6のどちらで接続されているかを確認してみましょう。Windowsなら「Windowsマーク」からクリックしていくことで表示される「ハードウェアと接続のプロパティを表示する」で確認できます。

Macなら「アップルメニュー」をクリックし「有効になっている接続」で、IPアドレスを表示させましょう。文字列にアルファベットが含まれていたら、IPv6で接続されています。

IPv6での接続の確認は「IPv6接続テスト」や「確認くん Pro」といったWebサイトへのアクセスでも可能です。くわしくは以下のリンクを参照してください。

IPv6の接続状況はどうやって確認する?便利なサイトから原因・対処法まで!

IPv6を利用するときの注意点

IPv6の利用には、光回線とIPv6に接続可能な環境が必要です。「環境」とは、IPv6対応のプロバイダやルーターなどのことです。まずは、契約しているプロバイダがIPv6に対応しているかどうかを確かめましょう。未対応の場合は、別途契約や設定が必要になることもあります。

IPv6に対応しているルーターなどの接続機器も用意しましょう。プロバイダの中にはレンタルしてくれるところもありますが、多くの場合、新しく購入する必要があるでしょう。

その際にチェックしたいのは、IPv6ではなく「IPv4 over IPv6」に対応しているかどうかです。IPv4 over IPv6とは、IPv6と同じ「IPoE」でIPv4アドレスへの接続を可能にした技術です。

IPv6とIPv4には互換性がないため、IPv4のWebサイトはIPv6では閲覧できません。先ほど説明した通り、多くのWebサイトでは従来型のIPv4・PPPoE方式が使われています。IPv6に切り替えると、現状使用している多くのサービスが使用できなくなってしまいます。

IPv4 over IPv6を活用すれば、IPv4・PPPoEのWebサイトをIPv6で閲覧できるようになります。

IPv6で快適なインターネット通信をしよう

IPv6・IPoEでの接続は、ネットワーク終端装置の経由やID・パスワード入力の必要もなく、光回線の実力を発揮させるシンプルな接続方式です。また、強力なセキュリティも標準で搭載されているため、ユーザーに多くのメリットがあります。

現在のインターネットの主流はIPv4・PPPoEですが、IPv6・IPoEも普及が進んでいます。どちらも対応できる「IPv4 over IPv6」への移行をおすすめします。

IPv4とは?特徴や知っておきたいポイントについてわかりやすく解説!

投稿日時:2022/07/26(火) 16:06

IPv4とは、インターネットの黎明期から使われている従来型のインターネット通信規格です。現在の最新規格であるIPv6と比較しながら、IPv4の特徴や知っておきたいポイントについてわかりやすく紹介します。移行期におすすめの「IPv4 over IPv6」についてもあわせて解説します。

IPv4とは、インターネットの黎明期から使われている従来型のインターネット通信規格です。依然としてインターネットの主流な通信規格ですが、登場から時間が経っていることもあり、いくつかの問題を抱えています。

そこで進んでいるのが、最新規格であるIPv6への切り替えです。GoogleやNetfilixなどの大手企業では、IPv4と並行してIPv6でのサービスが提供されています。

ここでは、IPv4とは?という基本を解説したあとに、IPv6とIPv4を比較していきます。また、現状ではベストといえる「IPv4 over IPv6」という接続方式についても解説します。

IPv4とは?わかりやすく解説!

IPv4について説明する前に、まずは頭に付いている「IP」を理解しておきましょう。

IPとは「Internet Protocol(インターネットプロトコル)」を略したもので、インターネットに接続された端末同士が、情報をやり取りするための通信規格を意味しています。

送受信する情報の形式やエラーの対処などが定められているのですが、同じルールで通信が行われることで、世界中と情報のやり取りができているのです。

また、情報のやり取りには、端末に住所のようなものを振り分けておく必要があります。これが「IPアドレス」と呼ばれるものです。PCやスマホ、タブレットなど、それぞれの端末にIPアドレスが与えられることで、メールの送受信やWebページの閲覧が可能になります。

IPv4とはIPの第4版

「IPv4」とは「Internet Protocol Version 4」の略称で「Version 4」は第4版を表しています。1990年代後半のインターネット普及期に考案されたもので、現在も広く使われているインターネットの通信規格です。

ちなみに「Version 0」が登場したのは1970年代で、インターネットの前身であるコンピュータネットワーク「ARPANET(アーパネット)」用に開発されました。Version 3までは試験的な仕様となっており、本格的に実用化されたIPがVersion 4になります。

IPは現在Version 9まで開発が進んでいますが、Version 4の後継は「IPv6」となっています。

IPv4の特徴

現在、広く用いられているIPv4は優れた通信規格です。しかし、インターネットの世界は進化のスピードが早く、登場から数十年が経過したIPv4は、時代に合わない部分も出てきています。

発行可能なIPアドレス数は43億

IPv4におけるIPアドレスは「xxx.xxx.xxx.xxx」のように、ピリオドで区切られた4つの数字で表されます。使うことができるのは「0.0.0.0」から「255.255.255.255」までで、約43億個のIPアドレスが発行できるようになっています。

43億個というIPアドレスは、初期のインターネットでは十分な数でした。しかし、インターネットが普及するにつれて、使えるIPアドレスの数はどんどん減り始め、2010年代後半には枯渇する事態になっています。

アドレス不足を解消するために、「DHCP」と呼ばれる、使用していないIPアドレスを自動で割り当てる仕組みも用いられていますが、IPの仕組み自体を抜本的に変える必要に迫られているのです。

PPPoE方式に対応している

「PPPoE(ピーピーピーオーイー)」とは、IPv4で使われているインターネット上の通信規格です。歴史はIPv4よりもさらに古く、インターネット黎明期から使われ続けています。

PPPoEには複数のルールがあります。インターネットに接続するには必ず「ネットワーク終端装置」を経由しなければならず、接続するたびにIDやパスワードを入力する必要があるなど、通信速度が遅くなる原因にもなっています。

ちなみに、Version 4の後継である「IPv6」に対応している次世代の通信規格は「IPoE」と呼ばれています。

PPPoEとは?特徴や接続についてわかりやすく紹介!

IPv4について知っておきたいポイント

時代遅れになりつつあるIPv4には、どのような問題点があるのでしょうか。また、IPv6と比較しながら、IPv4について知っておきたいポイントをみていきましょう。

IPv4形式のIPアドレスは枯渇している

IPアドレスを管理する団体が、「IPv4で発行できる分は枯渇した」と発表したのは2019年のことでした。

それでもインターネットが使えているのは、IPアドレスの一部が再利用される仕組み(DHCP)になっているからです。たとえば、家庭用ルーターは、インターネット接続から外れると、新たに接続されたルーターなどに割り振られます。

ところが、すべてのIPアドレスが動的に再利用される仕組みになっているわけではありません。いったん割り振られたら再度変更しない限り、同じものを使い続けるケースもあるのです。また、家庭用ルーターなどが世界中で増え続ければ、再利用されるIPアドレスもいずれはなくなってしまうでしょう。

そこで次世代の通信規格である「IPv6」の普及が急がれているのです。

IPv6とは?初心者向けにわかりやすく解説

IPv4とIPv6の違いとは?

IPv4とIPv6の違いは主に以下の表の通りです。ここでは速度にフォーカスした4~6を中心にそれぞれ違いについて紹介します。

1. IPアドレスの数 2. 表記方法の違い 3. 接続方式の違い 4. 回線速度の違い 5. パケット転送時の違い 6. セキュリティの強度の違い

IPv4・PPPoEと比べると、IPv6・IPoEの方が速度が出ます。理由はIPアドレスの表記やインターネットへの接続がシンプルだからです。データ転送時のパケットの構造がシンプルなことも、IPv6・IPoEの方が速度が出る理由となっています。

さらに、IPv6には暗号化技術「IPsec」が標準で搭載されています。IPv4よりもセキュリティ強度が高いのもIPv6の特徴のひとつです。

もう悩まない!IPv4とIPv6の違いをわかりやすく解説!

IPv4でもIPoEと同じ形式でネット接続できる

最新型のIPv6・IPoEは、通信速度や安全性という点で従来型のIPv4・PPPoEよりも優れています。しかし、現在インターネットで主流の接続方法は従来型のIPv4・PPPoEであり、IPv4とIPv6には互換性がないため、IPv6ではIPv4のWebサイトに接続できないという問題が起きてしまいます。

そこで役に立つのが、「IPv4 over IPv6」という接続方式です。IPoE方式でIPv4接続を行うもので、回線の混雑時でもインターネットが遅くならないメリットがあります。

IPv4 over IPv6を利用するには、IPv4接続からの切り替えが必要です。プロバイダがIPv4 over IPv6に対応していることと、ルーターなどの環境をIPv4 over IPv6対応のものに変更する必要がありますが、よりインターネットが快適になることでしょう。

現在の接続方法がどちらなのかわからないという方は、以下のリンクを参照してください。

IPv6の接続状況はどうやって確認する?便利なサイトから原因・対処法まで!

IPv4 over IPv6の確認方法とは?一瞬で診断するサイトを紹介!

IPv4の正しい知識を身につけネット環境を整えよう

最新規格のIPv6は普及が進んでいるものの、現状、主流なのはIPv4接続です。IPv6に切り替えてしまうと、IPv4との互換性がないことから、従来のサービスが利用できなくなるという問題が起きます。

そこで検討したいのが「IPv4 over IPv6」への切り替えです。IPoE方式でIPv6とIPv4両方の接続ができることで、いくつものメリットが得られることでしょう。両方のいいところ取りともいえるIPv4 over IPv6は、現状ベストといえる接続方法なのです。

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