もう悩まない!IPv4とIPv6の違いをわかりやすく解説!

2022年05月24日 更新日:2024年02月28日

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目次

ここではアドレスの表記方法であるIPv6とIPv4の違いや、それぞれの接続方法IPoEとPPPoEの違いについてまとめています。IPv6で得られるメリットなども併せて解説します。

次世代型のインターネット通信規格である「IPv6」は、従来型の「IPv4」に代わって普及が進んでいます。しかし、双方にはどのような違いがあるのか、正しく説明できる方は少ないのではないでしょうか。

本記事では、IPv6とIPv4の違いについて、インターネットに詳しくない方でもわかるように解説します。ユーザーが得られるメリットや、現在の接続がIPv6とIPv4のどちらかを判別する方法といったお役立ち情報もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

IPv4とIPv6の違い

IPv4とIPv6の主な違いは7つあります。これらの違いについて知ることで、IPv6の普及が急がれている理由がわかるようになります。

1. IPアドレスの数

インターネットに接続している機器には、データの送受信で使うIPアドレスが割りふられています。そして、IPv4とIPv6では作ることができるIPアドレスの個数が大きく異なります。

IPv4で用いられるのは32ビットで、2の32乗(約43億)個しか割り当てることができません。一方のIPv6で用いられるのは128ビットで、2の128乗となり、無限といってよいほどのIPアドレスを割り当てられるのです。

IPv4ではアドレスの枯渇が心配されていましたが、IPv6ではその心配がなくなりました。

2. 表記方法の違い

IPv4とIPv6ではIPアドレスをそれぞれ32ビットと64ビットで表すため、表記方法も異なります。

IPv4では32ビット表記のIPアドレスを、8ビットごとにピリオド(.)で区切り、10進数に変換して表しています。

IPv6では128ビット表記のアドレスを、16ビットごとにコロン(:)で区切り、16進数で表しています。

3. 接続方式の違い

IPv4ではPPPoE接続、IPv6ではIPoE接続が用いられています。

PPPoEではインターネットに接続するために「ネットワーク終端装置」という装置を中継する必要があります。一方、IPoEではその必要がなく、インターネットに直接接続することができます。

ネットワーク終端装置を経由することで混雑時に通信が遅くなるなどのデメリットがありますが、IPv6・IPoE接続では、そもそも※ネットワーク終端装置を用いないため、混雑時でも安定した高速通信が可能になりました。

IPv6・IPoE接続を利用するには、IPv6・IPoE接続に対応しているプロバイダと契約し、接続機器を用意する必要があります。

※ネットワーク環境により終端装置が必要となるケースもございます。

4. 回線速度の違い

IPv4・PPPoE接続で最大1Gbpsだった通信速度は、IPv6・IPoE接続なら最大10Gbpsまで上がります。先ほど説明したとおり、IPv6・IPoE接続ではネットワーク終端装置を用いないため通信速度が上がるのです。

また、IPv6では16進数そのままの表記でIPアドレスを表記しますが、IPv4では16進数を10進数に変換してIPアドレスを表記します。変換の手間が不要なことも、回線速度が向上する理由の一つです。

5. パケット転送時の違い

インターネットでやり取りされるデータは、「パケット」と呼ばれる細切れにして送受信され、パケットにはそれぞれ「ヘッダ」という送り状のようなものが付いています。

ヘッダには、IPv4とIPv6のどちらで宛先が書かれているかや、宛先や送信元のIPアドレスなどが記されていますが、IPv6で用いられるヘッダのほうがシンプルな書き方が用いられています。

IPv4のヘッダには、パケットに関するすべての情報が記されていました。一方、IPv6ではヘッダを「基本ヘッダ」と「拡張ヘッダ」にわけて、基本ヘッダにはパケット転送時に必要な情報のみを記すことで、そこさえ読み取ればデータの転送が可能になりました。

IPv6ではパケット転送時に行う処理がシンプルになり、回線速度の向上につながります。

6. セキュリティの強度の違い

IPv6では、データを暗号化するセキュリティ技術である「IPsec」が標準で搭載されていますが、IPv4ではオプション扱いです。IPsecによって高い機密性を持つデータを安全にやり取りすることが可能となり、「IPv6はIPv4よりもセキュリティ強度が高い」といえます。

7.互換性がない

IPv4とIPv6は、IPアドレスの表記や接続方法などに大きな違いがあるため、互換性がありません。

IPv4が用いられているサイトにはIPv6・IPoEでの接続はできず、反対に、IPv6が用いられているサイトにはIPv4・PPPoEでの接続はできません。

次世代型の規格であるIPv6が用いられているサイトは、「Google」「YouTube」「Netflix」など大手の一部に限られており、現状はIPv4が用いられているサイトがほとんどです。

このような背景から生まれたのが、次の章で解説する「IPv4 over IPv6」という技術です。

IPv4 over IPv6とIPv6の違い

「IPv4 over IPv6」とは、IPv6・IPoE接続を行いながら、IPv4を用いたサイトも利用可能にした技術です。

IPv4 over IPv6に用いられているのは、基本的にIPv6・IPoE接続の方式です。つまり、IPv6・IPoE接続の高速性や安定性を保ちながら、IPv4・PPPoE接続も行うことができるようになります。

IPv4とIPv6の見分け方

現在利用している回線が、IPv4とIPv6のどちらなのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そんな時は、「IPv6接続テスト」やパソコンの設定画面から確認してみましょう。

IPv6接続テストで確認する

「IPv6接続テスト」に接続するだけで、今使っている回線がIPv4なのかIPv6なのかを確かめることができます。

もしIPv4・PPPoE接続しかできないなら、表示されるIPアドレスはIPv4のものだけになり、「IPv6アドレスが検出されませんでした」というメッセージが表示されるでしょう。IPv6・IPoE接続が可能ならば、IPv4とIPv6両方のアドレスが表示されます。

IPv4・PPPoE接続しかできず、IPv6・IPoE接続が必要と感じている場合は、テスト結果で表示されるインターネットサービスプロバイダ(ISP)に、IPv4 over IPv6のサービスが利用可能かを問い合わせてみてください。

パソコンの設定画面から確認する

IPv4・PPPoE接続しかできていない場合、使っている端末がIPv6に対応していない可能性があります。Windows11とMacでの確認方法をご紹介します。

Windows11の場合

Windows11を使用している場合、次の手順でIPv6に対応しているかどうかがわかります。

①画面左下にある「Windowsマーク」を右クリックし「設定」をクリックします。②「設定」画面が開いたら、地球をイメージしたアイコン「ネットワークとインターネット」をクリックします。③「状態」画面が開いたら、「ネットワークの詳細設定」にある「ハードウェアと接続のプロパティを表示する」をクリックします。④「プロパティ」の項目のほぼ中央「IPv6アドレス」に表示があれば、PCはIPv6に対応しています。

Mac(OS X10.7以降)

Macを使用している場合、次の手順でIPv6に対応しているかどうかがわかります。

①「アップルメニュー」にある「システム環境設定」をクリックします。②「ネットワーク」をクリックすると表示される「ネットワーク環境」の「自動」をクリックします。③「有効になっている接続」をクリックしてIPv6アドレスが表示されれば、IPv6への接続が可能です。

IPv6接続の確認方法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

IPv6接続の確認方法について詳しく確認する

IPv4とIPv6の違いを理解してインターネットを活用しよう!

IPv6・IPoEには、安定した高速通信ができるなど、従来型のIPv4・PPPoEにはないメリットがあります。しかし、IPv6・IPoE接続は、従来型のIPv4のサイトには対応していません。

IPv4 over IPv6を活用すれば、IPv6の利点をそのままに、IPv4のサイトも利用できます。現在利用している接続方法がIPv4だけならば、IPv4 over IPv6への切り替えを検討してみましょう。

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